遺言書に「遺言執行者」を指定する意味と選び方のポイントを徹底解説!

相続の相談を受けていると、遺言書を書こうと思っていても遺言執行者のことは知らない、知っていても誰にすればいいのか分からない。そもそも執行者が必要なのか?と、聞かれることがあります。最近では、遺言書への関心は高まりつつありますが、遺言執行者の存在と役割りはあまり知られていないのが現状です。実は、遺言の内容がきちんと実現されるか、スムーズに相続手続が進められるのかを、大きく左右する大切な役割を担う存在です。

この記事では、遺言書における遺言執行者の役割、選ぶ際のポイント。執行者を指定しない場合に起こりがちなトラブル等を解説いたします。これから遺言書を書かれる方も、すでに書き始めている方にもとても役立つ内容だと思います。

遺言執行者とは?

遺言執行者とは、遺言に書かれた内容を実行する人のことです。

たとえば、

・自宅の不動産を妻の名義に変更する。

・預金を長男に渡す

・株を長女に移管する など

これらを相続人同士の話し合いで実行するとなると、色々な感情が現れて衝突の原因にもなり、相続手続き自体が進まなくなってしまいますが、遺言執行者を定めておけば、法律上の立場が与えられているので、法務局や役所、金融機関などの手続きをスムーズに進めることができます。

遺言執行者を指定するメリット

遺言執行者を定めて置くことのメリットを見ていきましょう。

1.相続人同士のトラブルを避けられる

相続では、誰が手続きをするのか、何をどこまでやるのかなどの意見が出てきます。

どちらかの親御さんが残っている場合には、兄弟姉妹の仲がうまくいっているような場合でも、両親とも亡くなってしまった場合には、急に意見がすれ違い、衝突を引き起こしてしまいがちです。遺言執行者がいれば相続人同士が直接衝突しなくて済むため、トラブルを予防できる効果があります。

2.手続きをスムーズに確実に進められる

不動産や金融機関での手続きは必要書類が多く内容も複雑です。遺言執行者がいれば、主体となって手続きを進められるので、他の相続人の負担を減らすことができます。特に、各種財産の名義変更や解約などが非常にスムーズになります。

遺言書で認知や相続人排除をする場合

遺言認知をする場合は、遺言執行者は就職の日から10日以内に認知の届出をしなければならない(戸籍法第64条)とされています。また、遺言書で相続人の排除をする場合は、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の排除を家庭裁判所に請求しなければならない(民法第893条)とされていますので、このような法的手続きが必要な場合には、遺言執行者が実質的に必須になります。

遺言執行者に選べる人は?

遺言執行者になれる人は3つのパターンに分かれます。

1.相続人の中から選ぶ

家族の中から指定するケースです。特別な費用はかかりませんが、役所や金融機関での複雑な手続きが負担となることがあります。

2.家族以外の第三者に依頼

信頼できる親族や友人などから指定する場合です。こちらも慎重に判断する必要があります。多くの場合には手続きの専門知識がないので、大きな負担をかけてしまいます。

3.行政書士などの専門家を指定する

業務として遺言執行を扱っている専門家に依頼するケースです。この場合は専門家ですので当然に、手続きが早くてミスが少ない、相続人同士の中立の立場でいるのでトラブル防止になります。費用は発生しますが、相続人の負担を大幅に減らし、遺言内容の確実な実現につながります。

遺言執行者を選任しないとどうなるの?

誰を選んだらいいのか迷っていてすぐに決められないから、とりあえず指定しなくてもいいかと思っている方も少なくありません。しかし、遺言執行者を選任しない場合、次のような問題が発生する可能性があります。

1.相続人全員の同意が必要

財産の名義変更や預金の解約など、多くの手続きで相続人全員の署名押印が必要になります。1人でも協力しない人がいると、手続きが止まってしまいます。

特に、推定相続人以外の者に不動産を遺贈する場合などでは、受遺者と相続人全員での共同申請が必要となり、中にはこれをよく思わずに、申請を拒む相続人が出てきたりして、手続きが円滑に進まない事態が生じる可能性が考えられます。このような場合に遺言執行者が選任されていれば、受遺者と執行者のみで手続きを進められ、遺言者の意思が確実に反映されます。

2.手続きが遅れる

誰が書類を集めたり役所に行って手続きをするのか?

これを決めるだけでも時間がかかります。

3.感情的な対立が起きる

誰が多く手伝ったのか、負担が不公平といった不満が生じやすく揉め事となり、遺言者の思い通りの遺言が実現しないケースもあります。このように遺言の内容を確実に実行したいのであれば、遺言執行者の選任は非常に重要なポイントになります。

遺言執行者選びのポイント

後悔しない遺言執行者の選任ポイントとは?

1.相続手続きに慣れているか

役所や銀行などを回る手続きを理解しているか?これは非常に大切なことです。

2.途中で投げ出さない責任感があるか

遺言執行には数ヶ月から1年以上かかる手続きもありますので、最後まで責任を持てる人かどうかも重要です。

3.相続人全員と公平な関係を保てるか

一定の相続人と距離が近すぎると公正を欠くと疑われ、他の相続人との関係がうまくいかなくなる場合もあります。

4.高齢すぎないか

子供たちに迷惑をかけまいと考えて選任した方が高齢で、遺言者よりも先に体調を崩してしまうケースもあるため、年齢も考慮しておく必要があります。

行政書士に遺言執行を任せるメリット

行政書士は、相続手続きや遺言関係の業務を扱う専門家です。遺言執行者として選任されることも多くあり、以下のようなメリットがあります。

・法律と実務の両方に精通している

・スムーズに手続きが進む

・書類作成や役所関係の手続きを、他の専門家と共にワンストップで完結できる

・相続人全員と中立な立場を保てる

・相続人が他県に住んでいても代理で動ける

家族が揉めそうで心配、家族に負担をかけたくないなど、このような思いがある方は専門家を遺言執行者に指定しておくことで安心につながります。

まとめ

遺言執行者の有無が相続のスムーズさを左右します。遺言書は書いたら終わりではありません。遺言者の思いを確実に家族に届ける手段として遺言執行者の役割があります。相続手続きは複雑で、悲しみのなかでも進めなければならないため、感情面や精神的にもとても負担が大きくなってしまいます。現実には遺言執行者の指定がなくとも相続発生後に、遺言執行者の選任申立てを裁判所にすること自体は可能ですが、これもすぐには決まらずに時間がかかり、円滑に手続きをすることができません。よって、予め専門家などを遺言執行者に指定しておくことで、遺言の実現が格段にスムーズとなり、相続人同士の揉め事をなくし、なによりご家族を安心させることができます。是非、遺言書の中に遺言執行者の指定を入れておくことを強くおすすめします。

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